パーキングメーターに関する警視庁の不正幇助

東京のパーキングメーターとパーキングチケットで公開された文書を元に、その収入と費用(管理費)の推移を表にした。

パーキングメーター(PM)パーキングチケット(PT)の収入と費用の推移
対象
年度
収入 費用 査察項目
PM PT 合計① 管理の委託先 委託額② ①-② ②/①
2002 46億円 6億円 52億円 (財)東京交通安全協会 38億円 14億円 73%
2003 47億円 6億円 53億円 (財)東京交通安全協会 36億円 17億円 67%
2004 47億円 6億円 53億円 (財)東京交通安全協会 35億円 18億円 65%
2005 48億円 7億円 54億円 (財)東京交通安全協会 35億円 20億円 64%
2006 63億円 8億円 71億円 (財)東京交通安全協会 33億円 39億円 46%
2007 65億円 8億円 73億円 (財)東京交通安全協会 32億円 41億円 43%
2008 62億円 8億円 71億円 (財)東京交通安全協会 31億円 40億円 44%
2009 59億円 8億円 67億円 (財)東京交通安全協会 30億円 36億円 46%
2010 53億円 7億円 60億円 (財)東京交通安全協会 28億円 32億円 47%
(株)コアズ東京事業本部
2011 50億円 7億円 57億円 (財)東京交通安全協会 26億円 32億円 45%
(株)コアズ東京事業本部
中部安全サービス保障(株)
(株)セノン
2012 48億円 7億円 54億円 (財)東京交通安全協会 24億円 30億円 44%
テイケイワークス(株)
中部安全サービス保障(株)
(株)セノン
(株)アネシス
中部安全サービス保障(株)
2013 46億円 7億円 53億円 (一財)東京交通安全協会 18億円 35億円 34%
中部安全サービス保障(株)
(株)アネシス
(株)セノン
(株)セノン

パーキングメーター東京安全協会が無競争で受託していた時代に、警視庁が不当に高い金額で委託したことが明らかである。

2002年の数字でみれば、52億円の収入のうち38億円が管理コストとなっており、その割合は73%である。結果、東京都が所有し東京都の予算に入るべき収入がたったの14億円(収入の27%)しか入っていないことを示している。

委託業者らの不正には次の2つがあげられる。

  1. 不当に高い委託額で契約をしていたことが明白である。(2010年以降は指定管理者制度を警視庁が許容したので、まともな金額になりつつある)
  2. 警視庁はジャーナルを提出させていないので、回収額をごまかして申告することが容易である。

警視庁の不正幇助を公然と称する理由は次のふたつ

  1. 委託業者らの不正を防止するための唯一の仕組みであるジャーナルを提出させていない。
  2. 不正額を推察するためのジャーナルの公開請求に対し、警視庁は収益に関わる部分を黒塗りで隠し、不正額の推察を困難にした。

 

 

執筆者プロフィール

野村 一也
ライター
 創世カウンシル代表

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