交通ルールは守れない
そもそもルールは守るべきものではない
日本には、「ルールを守ろう!」といった類いのキャッチコピーが氾濫している。しかし本来、ルールとは守るべき対象ではない。
- <言語的に>
- 日本では「ルールを守る」の一辺倒である。
しかし英語では、この場合の守るという意味において、“obey”または“observe”、あるいは“follow”で表現される。いずれも「従う」ないし「尊重する」と言う意味だ。 - 一方、何かを「守る(ガードする)」ときに使われるのは“protect”だ。
- 以上のとおり、英語的にいえば、ルールは従うものである。
- <論理的に>
- 守るべきまたは達成すべき目的があり、その手段として、ルールが作られ、それに従う。
- 事故を減らすために、交通法規に従う
- (目的)(手段)
- このようにルールは、目的ではなく、手段にすぎないのである。
以上の考察から、「ルールを守る」という表現は、手段を目的化しているといえる。
警察官僚にとっては、好都合なのだろう。
お上による手段の目的化
それから「ルールを守る」という表現には副作用もある。
目的に対して、手段は妥当なのか?―― こう考える機会を失わせてしまうことだ。
これも警察官僚にとっては、好都合だろう。