シートベルト・リマインダー
シートベルト未装着を知らせるシステム
2003年に初登録された私のスバル・レガシィに、シートベルトの警告灯はあるが、アラームは付いていない
2005年以降に製造されたすべてのクルマには、運転席にシートベルト装着アラームが付いている。
シートベルト・リマインダーとも呼ばれるこの装置は、2005年に「運転席の座席ベルトが装着されていない場合にその旨を運転者席の運転者に警報する装置」として、道路運送車両の保安基準で装備が義務化された。いまでは、助手席シートベルト・リマインダーがいちばん安い軽自動車にさえ装備されている。
この装置がシートベルト着用率の向上に大きな効果を上げていることは、誰にでも想像つくはずだ。すべての新車に装備されても、完全に置き換わるまでには、何十年もかかる。毎年少しづつ、シートベルト・リマインダーの効果は上がっていくのだ。
シートベルト違反を取り締まる権力
交通取り締まり件数でもっとも多いのはシートベルト着用義務違反の取り締まりだ。交通安全週間になると、交番のおまわりさんも総出でシートベルトの違反切符を切っている。そして、年度末の警察白書には、シートベルトの着用率が上がったことによって、事故が減ったとアピールしている。さらに毎年のように、シートベルトの着用率が前年比約1パーセント上がったことを発表し、取締りの成果だと自画自賛している。
どちらに効果があったのか
ドライバーが自分の意識で自分の安全を確保するのがベストであるが、そうではない人もいる。そうした人たちに対し、法罰をちらつかせ、ときに罰し、それを見せしめるやり方に健全な効果があるのだろうか。
少なくとも私にとって、罰への不安で目覚めるより、時計のアラームで早起きする方がはるかに健全だし、確実な効果がある。
きっと取り締まりがなくても、シートベルトの着用率はあがったはずだ。もしそうだとしたら、警察は、お祭り(交通安全週間)の期間だけ取締りの花火を打ち上げ、他人の手柄(技術の進化による効果)を自分の手柄としてアピールしているようなものだ。