交通取締りに交通安全の効果はない

「取締りの効果で死者が減った」

交通事故による死者数が減少傾向を示し始めた2002年以降、こんな広報が毎年おこなわれている。そして残念なことに、極めて多くの人たちが、それを事実であるかのように錯覚している。そこで、懲罰による統制の効果について、すこし考えてみよう。

先生の取締り生徒が一斉に登校する時間帯、学校唯一の校門に立つ教頭が、すべての生徒をチェックするなら、その”取締り”は合理的で効果があるだろう。

一方、道路は、全国に網の目のようにはり巡っている。車両は、時間も場所も好き勝手に散らばっている。そんな無数の車両に対し、はたして合理的な取締りができるのだろうか。

警察発表はさておき、筆者が長期的に複数のエリアで観察する警察の取り締まりは、検挙ノルマ達成と言う“目的”に対しては効率的であるが、交通安全という“大義”に対して合理的ではない。

「違反が多いところで取締ることに交通安全の効果がある」

こう頑張る警察官の言い分に対し、科学的・合理的・心理学的側面から反論したい。少なくとも次のことは断言できる。

交通死者が減る要因は、警察の取締り以外に多く存在している

警察広報の問題の記事リスト

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テレビのプロパガンダ

テレビが扱うネタには、視聴率が取れるものと取れないものがある。わかりやすい事件は視聴率がとれるが、わかりにくいニュースは視聴率がとれない。また、刺激的な事件は視聴率がとれるが、刺激の少ないニュースは視聴率がとれない。 だ […]

新聞が警察を批判しない理由

報道統制

批判されることはあっても賞賛されることのない日本独自の取材制度が記者クラブである。 各都道府県の警察本部庁舎には、記者クラブ専用のラウンジが存在し、そこに行けば、大衆の興味をそそる事件ネタを得ることができる。こうして、警 […]

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反則金の行方

ラジオが15分おきに交通安全標語のようなフレーズを繰り返すのは、警察の天下り団体のJARTICから情報を仕入れているからである。 「ドライバーさん、安全運転でお願いします」 「携帯電話はクルマを止めてから」 アナウンサー […]

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「母屋はお粥、離れはしゃぶしゃぶ」 2003年に当時の塩川財務大臣は、政治の影響が及びにくい特別会計で、役人が無駄使いをしているとわかりやすく批判した。 2009年ころまでは、政治家だけでなく、週刊誌のなかには、役人の無 […]

ドライバーの不満が世論にならない理由

japanese_government

ドライバーの不満が世論にならない原因として象徴的なのは、JAFが警察の天下り団体であることだ。まずは海外のドライバー団体の発生経緯と活動を確認しよう。 海外のドライバー団体 海外では、利用者団体が利用者の利益を守るための […]

交通取締りに交通安全の効果はない

交通取締り

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暴走族は警察に利用されている

暴走族

クルマに対する嫌悪感を増長する暴走族は、警察の存在意義を高める材料として、警察に利用されている。 暴走族を根絶する方法 警察にとって、ほんとうは暴走族の根絶など簡単なことである。 警察には、交通取締りだけでなく、交通規制 […]

死亡事故多発の印象操作

恐怖に訴える警察広報

日本全国のあらゆる道路には、「死亡事故多発」「緊急対策実施中」の電光掲示板が設置されている。テレビやラジオでは、「交通ルールを守りましょう」。警察施設に貼られたポスターでは、「交通違反は犯罪」。これら交通安全スローガンの […]