交通取締りに交通安全の効果はない

「取締りの効果で死者が減った」

交通事故による死者数が減少傾向を示し始めた2002年以降、こんな広報が毎年おこなわれている。そして残念なことに、極めて多くの人たちが、それを事実であるかのように錯覚している。そこで、懲罰による統制の効果について、すこし考えてみよう。

先生の取締り生徒が一斉に登校する時間帯、学校唯一の校門に立つ教頭が、すべての生徒をチェックするなら、その”取締り”は合理的で効果があるだろう。

一方、道路は、全国に網の目のようにはり巡っている。車両は、時間も場所も好き勝手に散らばっている。そんな無数の車両に対し、はたして合理的な取締りができるのだろうか。

警察発表はさておき、筆者が長期的に複数のエリアで観察する警察の取り締まりは、検挙ノルマ達成と言う“目的”に対しては効率的であるが、交通安全という“大義”に対して合理的ではない。

「違反が多いところで取締ることに交通安全の効果がある」

こう頑張る警察官の言い分に対し、科学的・合理的・心理学的側面から反論したい。少なくとも次のことは断言できる。

交通死者が減る要因は、警察の取締り以外に多く存在している

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