2017年10月17日、テレビのワイドショーと新聞は、一斉に警察があおり運転の”摘発”をしていると報道した。この報道を見れば、ほとんどの人は、警察があおり運転の取締りをしていると受け取るはずだ。

この動画は、一テレビ局のものであるが、”摘発”した件数が7625件(うち高速道路上での違反は6690件)であると報道された点は各社同じだ。

テレビのプロパガンダこれは警察庁が「車間距離不保持違反の検挙状況」「原付以上運転者(第一当事者)における法令違反あり(車間距離不保持)の交通事故件数の推移(各年12月まで)」という文書を記者クラブで配布したことによる結果である。

つまり、警察がテレビ報道をコントロールしているのである。テレビ局は、警察との馴れ合い関係が完成しているので、警察からの情報をそのまま使用する

なお、統計には、取締りではなく、事故が発生し、その原因として違反が発覚しているものが多く含まれている。それどころか、ほとんどが交通事故の件数を示していると思われる。なぜなら、あおり運転の取締りなど見たことも聞いたこともないからだ。

追って詳細をまとめるが、取材の過程で警察庁の情報公開室とのやり取りを記録しておくことにした。組織の影に隠れて自分の名前さえ名乗らず、社会人としての基本的な対応ができない担当者に嫌な思いをさせられたからだ。

情報公開室との通話記録1 公開対象情報を打診
情報公開室との通話記録2 問題の担当官。10:30過ぎからは別の担当官
情報公開室との通話記録3 2で一方的に電話を切られた後の別の担当官

2年前、殺人天国 現実へのステップ04 – 行方不明者が殺害されている可能性 –を取材したさい、警察庁の情報公開担当官は基本的な統計情報の公開を拒絶した。通話記録3では、その補完を依頼した。

2017.10.25追記

警察庁情報公開室と情報公開に向けた事前相談について、次のやり取りを行った。

  1. 行方不明者のデータについては、「その他」に内訳はないとのこと。そこで、入力画面の様式を打診した。
    1. あおり運転の取締り件数について

    2. あおり運転の取締り件数については、「違反種別交通違反取締り」に取締りによる検挙数と、事故により発覚した検挙数の内訳を示す文書を出すよう求めた。
    3. 併せて、報道であおり運転で”摘発”した7625件という件数が「違反種別交通違反取締り」のどこに含まれるのかを求めた。

ちなみに、これまで警察庁の情報公開の担当者は、電話で誰一人自ら名前を名乗ろうとせず、こちらが聞いても「組織で対応することになっているのでお答えできません」と一蹴し続けてきたのに、今回の電話では、取次ぎの警察官が素直に名前を名乗っていることが以外だった。

2017.11.6追記

10日たっても連絡がないので、こちらから警察庁情報公開室に電話した。

  1. 行方不明者の入力を規定する様式(動機「その他」の手がかり)は確認中とのこと。
    1. あおり運転の取締り件数について

    2. 「違反種別交通違反取締り」には、取締りによるものと、事故により発覚したものとの内訳データが存在しない、とのこと。あまりにも納得がいかないので、厳しく追求しています。
    3. 報道であおり運転で”摘発”した7625件という件数が「違反種別交通違反取締り」中の「車間距離不保持」だとのこと。

私が違反種別交通違反取締りのデータに、取締りによるものと事故によって発覚したものの内訳が存在することを断定する根拠は以下のとおり。

警察官が事故と違反を入力する原票の2つを次に示す。様式はほとんど同じで、双方に違反コードを記入する欄がある。このふたつの原票に記録された違反が取締り件数として統計されている。

違反登録票事故登録票

この原票から入力されるデータには、原票の最初の項目「資料区分」がとうぜん存在する。取締りによるものと事故によって発覚したものを分けるには、違反別データを呼び出す際に、「資料区分」を併せて出力し、各データを61(事故による違反)に区分されるものと、それ以外に分けるだけだ。

上記2つの入力原票は、「警察情報管理システムによる運転者管理業務の運用基準」の改正について(平成14年5月17日発の通達)から複写した。

以上のとおり、警察庁は存在するデータが「ない」と嘘をついている。それから、あおり運転に対し7625件を”摘発した”という言葉が使われたのは、事故で発覚したものを警察活動の結果であるかのように装うためだろう。

事故と取締りの統計の取り方は問題だらけだ。
警察がつくる事故統計

2017.11.17追記

待てど暮せど、警察庁からの連絡はないので、こちらから警察庁情報公開室に電話した。

  1. あおり運転の取締り件数について、取締りによるものと、事故により発覚したものとの内訳データは存在しない、と前回の話しを繰り返すばかりであった。
  2. 行方不明者の入力を規定する様式(動機「その他」の手がかり)は存在しないとのこと。「ない」と言い張られるとどうにもならないので、操作マニュアルの存在の有無の確認を依頼した。