ラジオが15分おきに交通安全標語のようなフレーズを繰り返すのは、警察の天下り団体のJARTICから情報を仕入れているからである。

「ドライバーさん、安全運転でお願いします」
「携帯電話はクルマを止めてから」

アナウンサーの柔らかい声のおかげで耳障りではないが、その頻度は半端ではない。そうなってしまうのは、交通情報の提供が、ラジオ局の広告販売を支える最も重要なファクターだからだ。

ラジオ広告には番組協賛のほか、ニュース・天気予報・交通情報の3つの情報提供に連動したベルト広告がある。この3つは、番組ではなく、ラジオの報道機能にリンクしており、また、同じ時間帯で継続的に配信される。だから、リスナーへのCM到達度が高い有効な企業PRとして、各ラジオ局にとって売りやすい広告である。

首都圏某FM局の広告料
月~金 月額150万円(1ベルト)
土日 50万円(1枠)

上記広告料は、天気もニュースも交通情報も同じだ。ただし、天気予報もニュースも、3時間おきで十分なのに対し、15分から20分おきに流される交通情報は、天気とニュースに対する広告販売の貢献度はおよそ10倍となる。ラジオ局にとって最も貴重な「広告の種」を独占的するJARTIC(財団法人日本道路交通情報センター)が、ラジオ局に高飛車な態度をとるのは、想像に難くない。

さて、問題なのは、JARTICの商品である交通情報の仕入れが無償だということだ。交通情報の収集には、莫大な費用がかかっており、それは公益性の高い情報だ。公的な資金で得られた交通情報を売って儲けるのであれば、それなりの対価を負担するのが当然なのであるが、JARTICは交通情報を無償かつ無競争で仕入れている。例えるなら、NEXCOが、高速道路の料金収入を償還にまわさず、すべて自分の懐に入れているようなものだ。

日本道路交通情報センターに流れるカネ

ドライバーが看過できないのは、交通情報を提供するための事業に、交通取締りによって集められた反則金が流れていることだ。もし、交通情報の収益が正常に設備投資や維持管理費にまわされるのであれば、「取締りのための取締り」をしなくても済むのかもしれない。

JARTICの存在意義を疑うとどめは、理事長のポストが警視総監の天下りの指定席となっていることだ。

問題はまだある。交通情報の収集システムが時代遅れとなっており、ドライバーとライダーが、時代遅れのシステムを維持するための財布にされている、といっても過言ではない状況が発生しているからだ。詳しくは、次のバナーをクリック。

時代おくれの交通管制

さらに付け加えれば、渋滞が発生によって規制者(警察)が儲かる構造は、警察が渋滞解消に努力する動機を失うことに結び付くということだ。現実として、事故多発をアピールし、規制と罰則の強化ばかりが行われている。警察が渋滞の解消に積極的な努力をしている、と評価する人はいないはずだ。

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