平成26年(行ウ)第22号「歩行者が出てくる危険性もない道路」で行われる速度取締りによる処分取消し請求事件

原告 野村一也

被告 神奈川県

準備書面(1) 

2014(H26)年9月29日

横浜地方裁判所第1 民事部合議A 係御中

原告

野村 一也

野村一也の印

国家賠償請求の併合について

日本国憲法第32条の定める「裁判を受ける権利」が規定されている。そして、原告のみならず、違法な交通取締りで検挙された交通違反者が、行政処分に対し、「裁判を受ける権利」を行使しようとしても、次のような選択を余儀される。

  1. 道路交通法第113条の2に行政手続法の適用除外が規定されているため、運転免許の停止処分を受ける前に行政手続法による請求をすることはできない。つまり、事前救済の道はない。
  2. 行政事件訴訟法第25条第2項の規定により、運転免許の停止処分の執行停止を裁判所が認めた判例が存在しないか、あるいは極めてまれである。つまり、行政処分が執行されたら、それを停止させることは不可能に近いといえる。
  3. 判例によれば、行政訴訟法に規定された取消し請求を為しても、運転免許の停止期間が満了すると、裁判所は訴えの利益がないとして、請求を棄却している。訴訟に掛かる時間を勘案すれば、6ヶ月以内の免許停止の場合、事実上、裁判で救済されることはない。

以上のとおり、交通違反者は、行政手続法による事前救済は受けられず、執行された運転免許停止処分の執行を停止させることは不可能かあるいは極めて困難である。さらに、残された手段で争おうとしても、運転免許の停止期間が過ぎれば棄却されることになる。

つまり、道路交通法違反で検挙された車両運転者には、行政処分に関し、法律上の救済手段がないに等しいと言わざるを得ない。

よって、原告は、2014年9月29日付けで、被告人を神奈川県とした本件行政訴訟とは別に国を相手どった国家賠償請求を横浜地方裁判所に提訴した。

本件行政事件については、訴えの併合を検討することもなく、棄却しないよう求める。

以上